野生復帰訓練

トキは、トキ保護センター等で飼育繁殖されています。しかしその環境は外部の自然環境と大きく異なるため、そのまま放鳥しても自立して生存することは難しいと考えられます。

野生復帰ステーションでは、生存や繁殖に必要な基本的能力を獲得させるため、より野生下に近い環境で順化訓練を行っています。

主な訓練項目

飛翔
天敵から逃げたり、餌を探すためには高い飛翔能力が必要です。佐渡トキ保護センターのケージは狭くあまり飛ぶことがなかったため、長時間飛行する体力や、障害物を避けながら飛行する能力などを養います。
採餌
佐渡トキ保護センターでは飼育員がケージに入り、直接給餌を行っています。餌は、トレーか小さなプールに入れるため探す必要もありません。そのため、水中や土の中に隠れるドジョウや昆虫を自力で探して捕らえたり 、多様な餌や餌場環境に慣れるといった能力を養います。
社会性
人との共生
さまざまな年齢構成のトキを同一ケージで生活させ、群れでの社会性を身に付けたり、訓練の相乗効果を図ります。また、トキの生息域で日常的に見られる人間活動を経験させたり、慣れさせたりする訓練を行います。
繁殖
トキが野生に定着するためには、自らの力で子孫を残す能力が不可欠です。佐渡トキ保護センターでも自然繁殖に取り組んでいますが、より野生下に近い環境での造巣能力や、親鳥が自力で餌を探し雛に与えるなどの育雛能力を養います。

これまでの取り組み

平成19年

手植えで田植えをする様子

順化ケージ内での田植え(19年5月22日)

ムギワラトキ

近縁種であるムギワラトキを順化ケージ内へ放鳥(19年5月25日)

式典の様子

トキ放鳥式(19年7月10日)

4月17日
野生復帰ステーション開所式。施設の一般開放を行う。(5月31日まで実施。2,000人を超える見学者が来所)
5月5日
施設の点検及び職員のモニタリング訓練のため、近縁種(ムギワラトキ・ハダダトキ)4羽をセンターから移送。順化ケージの「上流小ケージ」に放鳥。
5月22日
順化ケージ内の池10枚のうち3枚に、田植えを行う。
5月25日
近縁種を順化ケージへ放鳥。
6月20日
近縁種を捕獲し、下部繁殖ケージに放鳥。
6月29日
順化訓練予定のトキ7羽をセンターから移送。急激な環境変化を緩和するため、順化ケージの「下流小ケージ」へ放鳥。
7月10日
「下流小ケージ」から、7羽のうち5羽を順化ケージへ放鳥。順化訓練(ケージ環境への順化、飛翔・採餌訓練)を開始。
10月1日
順化ケージで、人との共生訓練を開始。ケージ内の歩行・草刈などを積極的に行う。
10月19日
順化ケージ内で、5月に植えた稲の稲刈り作業を行う。
11月19日
中国から供与された2羽のトキ、華陽(ホワヤン)と溢水(イーシュイ)が到着。収容ケージを利用して自主検疫を開始する。
12月12日
順化訓練に追加予定のトキ12羽を佐渡トキ保護センターから移送。急激な環境変化を緩和するため、一時繁殖ケージへ放鳥。
12月13日
繁殖訓練を行うトキ8羽(4ペア)をセンターから移送。訓練を開始。収容ケージの中国トキ2羽の検疫を終了し、センターへ移送。
12月18日
順化ケージ内で多様な環境作り(水路・江の造成)を行う。

平成20年

凍った池で採餌するトキ

凍った池で採餌するトキ(20年1月)

1月
繁殖訓練ペアの羽の着色始まる。遅れて、順化訓練個体の羽の着色も始まる。冬季の環境(雪や池の凍結)への適応を確認。
2月12日
繁殖ケージで環境に慣らしていた、順化訓練追加予定のトキ12羽のうち、10羽を順化ケージへ放鳥。先の5羽と合わせて15羽で順化訓練を進める。
3月
順化ケージ15羽、繁殖ケージ8羽(4ペア)順調に訓練中。
順化ケージへ放鳥

順化ケージへ10羽を追加放鳥(20年2月12日)

クチバシをあわせるトキ

繁殖期を迎え、クチバシをあわせるトキ(20年3月)

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